向かい風が当たり前

【Give me a minute, I'm good. Give me an hour, I'm great. Give me six months, I'm unbeatable.】 and 【Every time is a big moment.】

天皇賞(秋)ウォッカ

母体会社の競馬仲間と競馬観戦。先輩の新築祝いと後輩の東京異動歓迎会を兼ねた軽い気持ちだった。
しかし、こんなに凄いレースに、こんなに凄い馬を目の前にするとは思わなかった。
こんなに凄いレースは後にも先にも今回だけかもしれない。
(レース内容は競馬好きの方なら周知なので省略)
最後の3Fは周りの大歓声が聞こえなくなるくらい、真剣に馬を応援した。
3頭の馬しか見えてなく、自分の声しか聞こえていなかった。
ゴール後は周りの誰もが声をからせていた。誰もが感動していた。
本当に凄かった。


馬券は、、、外れた。でも、負けて悔い無しの馬券だった。わたしはディープスカイ単勝を買っていた。
午前中はウォッカの単勝を買おうと思っていた。しかし、昼休み、競馬場のモニターで武Jのインタビューを見た。そのインタビューで武Jが
「いいですよ。今まで乗った中で一番いいですよ。今までこの馬で一度も勝ったことが無いですからね」
と言ったのを耳にした。
(この馬で一度も買ったことが無い?そういえばそうだ。しかも武Jは昨年のこのレースで勝っている。2着、3着はあるだろう。でも1着は無いのでは)そう思って単勝から外した。
ダイワスカーレット?ぶっつけでG1に勝てるのか?かかってバテルだろう。いくら安勝Jといえども、そりゃぁ無理だろう。パドックでは全出馬の中で一番馬体が良く見えた。でも、休み明けが気になって単勝から外した。
となると、ディープスカイしかいないだろう。3歳だって最近は強い。シンボリクリスエスの例もあるから十分勝てる。NHKとダービーで勝てる馬はそうはいない。
そう思ってディープスカイを応援する(単勝を買う)ことにした。(しかし、これまでのレースで負けていたから額は控えめにした)
先輩はウォッカ、後輩はダイワ。3人がそれぞれ違う3頭を応援していた。


レースがスタートして案の定ダイワが飛び出す。テンの1kmが58.7秒。早い。この時点でダイワは直線で沈むと思った。そのまま4角までレースが進んで、ディープがウォッカの少し前で上がってきた。
その直後にウォッカも上がってきて直線に入った。
ウォッカとディープが伸びてきたが、ダイワがまだ内で粘っていた。
わたしは既に「ディープ!!差せ〜!!差せ!!差せ〜〜!!」と絶叫していた。恐らく、隣にいた先輩と後輩も「ウォッカ!!!」「ダイワ!!安勝!!」と叫んでいたに違いない。
府中の坂に入るとダイワが少し下がった。このときにダイワはもう沈んだなと思った。
ウォッカとディープが叩き合いは続く。武と四位が追いまくる。目の前(われわれはゴールまであと1Fの看板前付近の座席にいた)を3頭が過ぎていく。
するとなんと、ダイワがまた差し返してきた。そして3頭の叩き合い、ウォッカとダイワが並んでゴール。

(レースに夢中になりすぎて写真どころでは有りませんでした。レース終了後のターフビジョンを写すのが精一杯)


3頭の勝負根性に脱帽した。しかも、ダイワは58.7秒で最初に逃げて、あの差し返しができるとは。
なんという勝負根性だ。最後まで叩きあったウォッカとディープも凄い。
強い馬が強い競馬を、しかも3頭が揃って強い競馬をした。感動した。
もう一度勝負すると同じ結果にはならないと思った。でも、もう一度、あの3頭の叩き合いを見たい。
そう思った。
いいレースを見ることが出来た。人間界でもあんなに人を感動させるレールはそうお目にかかれない。